Twilight of the Superheroes
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【はじめに】 『Twilight of the Superheroes』は、1987年頃にアラン・ムーアがDCコミックスに提案した幻の企画。タイトルは北欧神話の「神々の黄昏」(ラグナロク)を基にしている。発行形式は『ウォッチメン』と同じ、全12冊・各号28ページ・広告なしを想定していた。 ムーアが提出した企画書は40ページほどある長いもので、 マーク・ウェイド&アレックス・ロスの『キングダム・カム』は、この企画にインスパイアされたものだとも言われているが、ウェイドとロスはこの企画書を読んだことを認めたうえで、「両者の類似点は少なく、もしあるとしても偶然の一致である」とコメントしている。 また、この企画書の全文を掲載したサイトが、著作権侵害を理由にDCコミックスから削除を要請されたこともある。現在はこちらもしくはこちらで全文を閲覧することができる。
【『Twilight』の世界】 約20年後の未来。さまざまな政治・経済的混乱により、既存の国家体制は崩壊し、その代わりにスーパーヒーローたちが一種の“上流階級”として一般市民を統治している。 ヒーローたちは「ハウス」と呼ばれる8つのグループに分かれていて、スーパーマン率いるスティール一族と、キャプテン・マーベル率いるサンダー一族が二大勢力となっている。
【ヒーロー紹介】 ・スティール一族(The House of Steel) ・サンダー一族(The House of Thunder) ・タイタンズ一族(The House of Titans) ・ミステリー一族(The House of Mystery) ・シークレッツ一族(The House of Secrets) ・ジャスティス一族(The House of Justice) ・トゥモロー一族(The House of Tomorrow) ・ランタン一族(The House of Lanterns)
【その他の登場人物】 他のスーパーヒーローたちはメトロポリスやゴッサムシティのヒーロー居住区に住んでいる。この居住区に住んでいるのは、元ヒーローだった者ばかり。ほとんどが酔っ払い、売春婦、乞食といった底辺の暮らしをしている。 ・ファントム・レディ ・コンゴリラ ・グリーンアロー&ブラックカナリー ・クエスチョン ・バットマン ・メタルメン ・アダム・ストレンジ
【プロット】 物語は1987年の年末、酒場にいるコンスタンティンの場面から始まる。彼の片手には手紙が握られている。一人のブロンド美女が彼に話しかけ、コンスタンティンはこの1年の出来事を回想する…。 1987年の初頭、時間旅行者リップ・ハンターがジョン・コンスタンティンのもとにやって来る。ハンターは自分が未来世界から来たこと、未来のコンスタンティンと仲間であることなどを伝える。ハンターは約20年後におこる“トワイライト”を防ぐために、現代のヒーローたちに警告を与えにやって来たのだった。 ハンターはこれからおこるであろう出来事をコンスタンティンに語る。 1995年頃、世界の政治的・経済的混乱に乗じて、スーパーヴィランたちが勢力を伸ばし始めた。もはや政府は機能しておらず、ヒーローがヴィランを逮捕しても、彼らを刑務所送りにすることは不可能な状態だった。そこで、ジャスティス・リーグは自分たちの手でヴィランたちの“粛清”に乗り出すことに決める。一般市民はそうしたヒーローたちの行動を賞賛し、ヒーローたちも指導者・統治者としての立場を受け入れるようになる。 やがて、ヒーローたちは人類社会の安定化のためと称して、地球から全ての異星人種族を追放してしまう。しかし、この政策はヒーローたちの間に対立をもたらし、彼らは8つのハウス(一族)へと分割してしまう。 それから10年あまりが過ぎ、スティール一族のスーパーボーイとサンダー一族のマリー・マーベル・ジュニアとの間で政略結婚の準備が進められていた。この結婚は世界の勢力地図を大きく書き換えることになると思われた。なぜなら、他の一族が結集すれば、スティール一族やサンダー一族を倒すことができるが、二大勢力が結託すれば、他の一族には勝ち目が無くなるからだ。 とは言え、この結婚にはさまざまな問題がつきまとっていた。スーパーボーイはサディスティックな性格であり、マリー・マーベル・ジュニアは結婚を望んでいなかった。そして、サンダー一族のなかでは、マリー・マーベルとキャプテン・マーベル・ジュニアの不倫問題も表面化しつつあった。 同じ頃、クエスチョンは、売春宿でおきた謎の殺人事件を捜査していた。小柄な男が長身のコールガールと一緒に部屋に入ったのだが、数時間後、男は縛られ猿ぐつわをかまされた上に首を折られた死体として発見されたのだ。部屋は密室であり、コールガールの姿はなく、凶器も発見されなかった…。 一方、他の6つの一族は結託して、スティール&サンダー一族への襲撃計画を練る。(未来の)コンスタンティンはバットマン&ザ・シャドウと接触して、彼らのハウス転覆計画を後押しする。また、コンスタンティンはアダム・ストレンジとも接触して、ランタン一族の地球侵略計画も後押しする。その後、キャプテン・マーベルのもとを訪れたコンスタンティンは他のハウスの襲撃計画について密告し、「スティール一族を助けるな」と謎めいた台詞を口にする。さらに、コンスタンティンはメタルメンの一人ゴールドや半身不随の男(メトロン)と接触し、彼自身の計画を推し進める。 結婚式の当日、スティール&サンダー一族への襲撃計画が実行に移され、ヒーロー同士の一大バトルが展開される。スーパーウーマンはワンダーウーマンを殺し、キャプテン・アトムがスーパーウーマンを殺す。スーパーボーイをはじめ、数多くのヒーローが命を落とす。キャプテン・マーベル・ジュニアとマリー・マーベルは新たな人生を始めるために宇宙へと旅立ち、スーパーガールも二人に同行することにする。 戦場にはスーパーマンとキャプテン・マーベルだけが残される。その時、ゼータ・ビームを使って、ランタン一族・ホークマン軍団・火星人種族の集団がテレポートしてくる。スーパーマンはキャプテン・マーベルとともに敵に立ち向かおうとする。 しかし、ここで衝撃的な事実が発覚する。実はキャプテン・マーベルは偽者であり、本物はシリーズ開始当初から死亡していたのだ。売春宿で発見された小柄な男の死体。それこそがキャプテン・マーベルの正体であるビリー・バットソンだったのだ。 ビリーは少年の心と大人の体を持っていたのだが、ビリー自身が成長するにつれ、心理面でのバランスが崩れ、普通の性生活が営めないようになってしまっていた。ビリーは変態的な性行為にふけるようになるが、それを知った火星人マーシャン・マンハンターがコールガールに変身してビリーを殺害した後、キャプテン・マーベルになりすましていたのだ。 スーパーマンは正体を現したマーシャン・マンハンターと戦い、ヒートビジョンで彼を殺す。しかしその頃には、スーパーマンは異星人の集団に取り囲まれていた。スーパーマンはたった一人で異星人軍団と戦うが、勝ち目はない。スーパーマンはグリーンランタンの一人ソダム・ワイアットと1対1の対決の末に殺される。 異星人によって地球が乗っ取られるかに見えたその時、バットマンとザ・シャドウに率いられた軍団が現れる。彼らはゴールドの体を溶かして作った金色のアーマーを身につけており、グリーンランタンのパワーでは彼らを傷つけることができない。 さらに、コンスタンティンのもう一つの作戦が明らかになる。コンスタンティンはメトロンの椅子メビウスチェアを用いて反物質宇宙のクワードを訪れ、「地球には手を出すな」という約束と引き換えに、時空転移装置ブームチューブを渡していた。ランタン一族をはじめとする軍勢が地球を攻撃していたまさにその時、クワード人たちは惑星オア、惑星ラン、惑星サナガーへの同時攻撃をおこなっていたのだ。 自らの母星が侵略されていることを知った異星人たちは、敵を撃退するために、地球を捨ててそれぞれの星へと帰らざるをえなくなる。 こうして地球には、スーパーパワーを持たないヒーローだけが残されることになった。ヒーローたちはマスクを捨てて自らの正体を世間に公表する。コンスタンティンは「スーパーヒーローによる圧制の時代は終わった。バットマンやザ・シャドウの指導のもと、アメリカは新たな時代を迎え、より健全な社会を築くことができるだろう」と告げる。 物語のエピローグは、再び1987年の年末の酒場へと戻る。コンスタンティンが手にしていた手紙の内容が明らかにされ、ブロンド美女との関わりが語られる。 終 |